不動産売却ハウツー

【2021年の任意売却の状況】コロナウィルスの影響で収入減や離婚が増え、任意売却する人が増えているって本当?リアルなケースで解説【雇用調整助成金の影響は?】

コロナウィルスの影響は、2021年7月時点でもまだ収まっておらず、東京オリンピックの開催などもあり、コロナウィルス患者は高止まりしています。
緊急事態宣言が発令されて飲食業界は時短営業や飲食が提供できない状況が続き、ホテルや旅行業界もインバウンドが大幅に減った影響を受けて収入が減った人も多いでしょう。
又、リモートワークが進み、夫婦が家にいる時間が長くなって離婚が増えているという記事もよく見かけます。
こういった状況の中、収入減や離婚などが原因で任意売却の相談が増えており、テレビなどでも特集が組まれるほどです。
しかし、いきなり任意売却と言われてもどういった対応をすれば良いのかわからないという人も多いと思います。
今回は、任意売却をしなければならない場合の流れやメリット、デメリットについて解説します。

任意売却と普通の不動産売却との違いの

不動産を売却する方法としては、一般的には不動産会社に依頼する、買取してもらうなどがあります。
しかし、収入減によって住宅ローンの支払いに困るなどの理由で、任意売却や競売にかけられるといったケースもあります。
ここでは任意売却と普通の不動産売却との違いについて比較してみましょう。

普通の不動産売却

不動産を売却する理由には、転勤や手狭になったので住み替える、相続したけど使わないので売却というケースが多いと思います。
こういった場合は、少しでも高く売るために不動産会社に媒介契約を結んで売却してもらいます。
媒介契約には、複数社に依頼できる一般媒介や一社のみの専任媒介などがありますが、一般的には専任媒介で一社に任せることが多いです。
不動産会社は依頼されると販売図面の作成やネット広告を行います。
他の不動産会社やネット広告より反響のあった顧客を案内して購入に繋げます。
案内の結果、購入申し込みがあり、価格に納得すれば契約です。
このように普通の不動産売却の場合、媒介契約から契約まで早くても数週間、長いと3か月程度掛かります。
売主が時間を掛けても高く売りたいという考えの場合、1年以上掛けて売却するケースもあります。

任意売却

普通の不動産売却がある程度時間を掛けて売却するのに対して、任意売却は時間との勝負になります。
任意売却を希望する売主は、住宅ローンの支払いが出来なくなるなどお金に困っていることが多いです。
住宅ローンの支払いが3か月以上滞納すると金融機関から期限の利益の喪失を言われて一貫返済を迫られることになります。
そうなると競売を申し立てられて金融機関に強制的に自宅を処分されてしまいます。
競売だと再出発が難しいので、金融機関との条件交渉も可能で再出発もしやすい任意売却を選ぶ人が増えているという訳です。
任意売却は普通の不動産売却とは違い、金融機関の承諾を取り付けるための調整が必要なので、普通の不動産会社では取扱いが難しく、任意売却の実績の多い不動産会社に依頼することになります。
依頼された不動産会社は、普通の不動産売却と同じようにレインズやポータルサイトなどで広告などの販売活動を行いますが、金融機関の承諾をもらった金額以上で売却しないといけません。
残債は残るケースは多いですが、不動産会社は、毎月1万円など出来るだけ返済額を減らしてもらったり、引越し費用は手元に残してもらったりといった交渉を金融機関としてくれます。
競売だと住み替え先も決まらないまま追い出されるということもありますが、任意売却の場合は、引越し費用なども確保できることもあるので再出発が切りやすくなります。

任意売却のメリット・デメリット

住宅ローンの返済に困った場合に任意売却は有効な手段ですが、やはりメリット・デメリットがあります。

メリット

任意売却のメリットとしては、競売よりも高く売れる点です。
一般的に住宅ローンの返済が3か月以上過ぎると金融機関は、回収が困難と判断して担保に取っている不動産を売却して資金の回収をします。
競売は、情報公開から入札まで時間が短く、購入リスクもあり、買主も不動産会社などのプロがほとんどなので、価格は市場の7割以下というケースが多いです。
しかし、任意売却であれば、普通の不動産売却と同じようになるべく高く購入してくれる買主を探すので売却か価格は相場価格に近くなります。
又、不動産の売却には、登記費用や仲介手数料などの諸経費が掛かります。
しかし、任意売却の場合は、金融機関と取り決めした内容で売買代金分配表を提出すれば買主からもらったお金より差し引くことができるので、新たに資金を用意する必要がありません。

デメリット

任意売却は、債務者だけでなく、共有名義人や連帯保証人の同意も必要です。
任意売却したくても共有名義人や連帯保証人の同意が取れないと売却できません。
そのため、任意売却すると決めた段階で、共有名義人や連帯保証人と協議する必要があります。
特に連宅保証人の場合は、万が一債権者が破綻したら自分が支払わないといけないので同意を取るのはかなり厳しいです。
又、任意売却する場合は、住宅ローンを滞納しているので金融機関のブラックリストに載ってしまっているので、新たに住宅ローンを組むのが難しくなります。

コロナウィルスによる収入減が原因で任意売却

コロナウィルスの影響は、飲食業やホテル、旅行業界など多くの業種に広がっており、解雇やシフト減による収入が大きく減少したという人も多いです。
収入が無くなったり、減少したりしたことによって、日々の生活が苦しくなり、住宅ローンの支払いが出来なくなるケースが増えています。
ここでは、コロナウィルスによる収入減が原因で任意売却をすることになった事例をご紹介します。

ケース1 居酒屋の店長が突然閉店により無収入になって任意売却

地元で複数店舗やっている居酒屋の店長(40歳)だったNさんは、月35万の収入があり、5年前に3000万で購入したマイホームの住宅ローンを毎月9万円くらい返済していました。
家族は奥さんと子供1人で、日々の暮らしに困ることはなく生活も特に問題はありません。
しかし、コロナウィルスの影響で、居酒屋は店舗を閉店することになり、突然の解雇を言い渡されます。
最初の3か月は、失業手当や特別給付金などで生活をしていましたが、中々再就職が決まらず、住宅ローンの支払いを滞ってしまいます。
3か月続くと競売になると金融機関から言われ、どうすれば良いかわからなくなって知人に相談したところ、教えてもらったのが任意売却でした。
競売よりは今後の生活も再出発しやすいということで任意売却の手続きを進めることになりました。
Nさんの物件は、郊外の一軒家でしたが、このコロナ下でリモートワークに移行した企業も多く、生活環境の良い一軒家が人気になっていたこともあり、想定していたよりも高い値段で売却できそうということで、早々に金融機関とも任意売却で合意することができました。
現在は、毎月2万円ほど返済しており、5年後には完済予定です。

ケース2 IT関連サラリーマンがリモートワークで残業代が減って住宅ローンの支払いが困難に

3年前に東京都23区に7000万円のタワーマンションを購入したIさんは、IT関連の仕事についており、月の残業は50時間以上というのが日常でした。しかし、コロナウィルスの影響でリモートワークになり、基本残業代はゼロに。
年収の3割程度が残業だったので当然生活も苦しくない、空いた時間はウーバーイーツなどのバイトをするなどしていました。
しかし、毎月のローンの返済は20万円ほどあり、3か月過ぎる頃にはローンの返済を滞ってしまいます。
そこで不動産会社に相談したところ、このままでは競売にかけられてしまうので、任意売却を検討してはいかがでしょうかと提案を受けます。
Iさんのタワーマンションは、東京都23区の人気エリアの物件だったので、フルローンで組んでいたので残債はほとんど減っておらず、価格の調整に難航しました。
何とか買い手が見つかり、金融機関とも任意売却で進めることができました。
毎月の返済は3万円で6年後に完済の予定です。

コロナウィルスによって在宅時間が増えて離婚!離婚による任意売却の相談も増加へ

コロナウィルス対策でリモートワークを推進する企業が増え、夫の在宅時間が増えて、夫婦が一緒にいる時間が増えている人も多いと思います。
「亭主元気で留守がいい」といったCMもありましたが、最近多いのが、リモートワークによる離婚の増加です。
仲の良い夫婦でも顔を合わせる時間が長くなると、お互いの嫌な部分を見えたり、これまで我慢していたことでケンカしたりする機会が増え、それが原因で離婚に発展に。
他にも、旦那がうつ病にかかってしまい、収入がなくなったことで離婚するといったケースもあります。
しかし、離婚した場合でもマイホームを共有名義で購入していると住宅ローンの支払いは続きますので、任意売却を検討するのもひとつの方法です。
ここでは、コロナウィルスによる離婚が原因で任意売却をすることになった事例をご紹介します。

ケース1:リモートワークが原因で離婚となり任意売却

Uさん夫婦は、10年前に5,000万の一戸建てを共有名義で購入しました。
夫婦共働きでしたが、子供が出来たのをきっかけに妻は専業主婦になっています。
毎月の返済は、15万程度で夫の給料でも十分支払いは出来ていました。
そんな中、コロナウィルス対策ということでご主人がリモートワークに。
これまでちょうど良い距離感で仲の良い夫婦でしたが、夫は自宅にいても家事を手伝ってくれず、子供の世話も全くしてくれませんでした。
更にリモートワークになったことで、夫の給料は2割程度削減されてしまいます。
妻は、家計のやりくりや子供の世話を押し付けられているという思いが強くなって鬱憤はどんどん溜まり、日々ケンカすることが増え、最終的には離婚をすることになりました。
離婚後、お互いこの家では住みたくないということで引越ししますが、妻は収入もなく離婚を他人に知られたくないということもあって任意売却が得意な不動産会社に相談。
残債も減っていたこともあり、最終的には養育費代わりに夫に残債を支払ってもらうということで話がまとまりました。

ケース2:夫がうつ病になって離婚のため任意売却

Aさん夫婦は、5年前に6000万のマンションを共有名義で購入しました。
毎月の支払いは18万程度でしたが、共働きだったので特に心配する金額でもありませんでした。
しかし、マンション購入から3年後、夫が会社の上司にパワハラを受けたことがきっかけでうつ病になってしまって退職することになります。
当初は、妻も夫を励まして再出発できるように頑張っていましたが、中々再就職できない夫との間でケンカをすることが増えました。
1年経った頃には夫婦仲は冷めてしまって会話もほとんどなくなっていましたが、妻も夫を支えようと努めましたが精神的にも資金的にも厳しくなり、うつ病発症から2年で離婚をすることになります。
その時点で夫とはほとんど会話が成立しない状況で、通常の売却が難しいと判断し、任意売却を選択。
間に入ってくれた不動産業者が夫との話をまとめてくれ、夫に支払い能力がないということで残債はなるべく残さないようにということで買手を探すことになりました。
少し時間が掛かりましたが、買い手も現れ、金融機関とも話し合いがついたので任意売却するができました。

任意売却の進め方

時間をかけて普通に不動産売却する方が、高く売却をすることができますが、家庭の事情や競売にかけられてしまう場合は、任意売却を選択されるケースが多いです。
では、実際に任意売却をするにはどのように進めればよいのでしょうか。
ここでは、任意売却の進め方について解説します。

1.任意売却にするかを判断する

一般的には、住宅ローンを3か月滞納すると金融機関から競売の申立をされます。
競売の申立をされて、競売が決定してしまうと物件は他人のものになってしまいます。
そうなる前に、少しでも高く、良い条件で売却しようというのが任意売却です。
そのため、任意売却をするかどうかの判断は、住宅ローンの滞納が2か月続いた時点で決めないといけません。

2.不動産会社へ相談

任意売却を決めたらまずは不動産会社へ相談し、物件がどのくらいで売却できるかを査定してもらう必要があります。
一社ではなく、二~三社は査定依頼をし、少しでも高く買ってくれる先を探すようにしましょう。
平行して、住宅ローンの残高証明を金融機関に依頼します。

3.不動産会社を選定する

査定価格が出たらいよいよ不動産会社の選定です。
査定金額が高いのはもちろんですが、その後の金融機関との交渉も依頼しないといけませんので、不動産会社を絞り、一度会社を訪問して担当者と話をするほうが良いでしょう。
不動産会社が決まればいよいよ媒介契約となります。
基本的には、任意売却の場合は債権者との窓口を一本化するために専任媒介契約、専属専任媒介契約で契約するのが一般的です。

任意売却の手続きを開始する

不動産会社が窓口となって金融機関と任意売却について交渉をしてくれます。
基本的には、金融機関ではなく、保証会社や債権回収会社と連携を取って進め、債権者である金融機関が売買価格を承諾してくれれば、いよいよ任意売却の手続き開始です。

任意売却の場合でも、通常の販売と同じようにレインズやポータルサイトなどで販売活動を行います。
任意売却の物件でも内覧等は行いますので、部屋の片づけや掃除をしておきましょう。

契約~引渡し

買主が決まったら、まずは購入申込書をもらい、売買代金分配表(返済、仲介手数料の支払い、引越し代等記載)を金融機関に提出します。
金融機関に承諾をもらえたら、買主と売買契約を結びます。
売買契約後は、買主の資金が準備できたら引渡日を決めて金銭の授受を行います。
買主のローン審査などを含めると売買契約から引き渡しまで概ね1か月~2か月程度掛かります。

【まとめ】

コロナウィルスによる収入減や離婚が原因で、住宅ローンの支払いに困って任意売却する人が増えています。
任意売却は、住宅ローンの滞納が続き、返済の目途が立たない場合には非常に有効な手段です。
競売とは違い、普通の不動産売却と同じように販売するので、物件価格も競売より高くなります。
ただ、金融機関との交渉や法律の知識が必要なので、任意売却の経験が豊富な不動産会社でないと上手に話を進めることができません。
任意売却をする際には、不動産会社の選定が重要です。
依頼する際には任意売却の取扱いが多いか確認し、複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。

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