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【不動産価格は上がるの?下がるの?】2022年の中古不動産の展望予想、2022年問題(生産緑地)も解説【金融緩和・オリンピック後・インバウンド】

2021年の中古不動産市況は、コロナウィルス問題による影響が懸念されましたが、首都圏、関西圏、中部圏、福岡市などの都市部では中古不動産、特にマンションの価格は上昇を続けています。
アットホームの調査では2021年8月の首都圏中古マンションの平均価格は3,386万円となっており、東京23区、横浜市・川崎市、埼玉県、千葉県西部エリアでは2017年1月以降の最高額を更新中です。
2021年10月25日には首都圏においてコロナウィルスによる緊急事態宣言が全面解除され、今後は経済の正常化は進むと思われます。
一方、コロナによって企業のリモートワーク化が進み、地方に住みながら仕事ができる環境も整いつつあり、ライフスタイルが大きく変わっています。
今後中古不動産の価格がどういった動きをするのでしょうか。
今回は、2022年の中古不動産の展望予想について解説します。

2021年はなぜ中古不動産の価格は上昇しつづけたのか

2021年はコロナウィルス問題によって出された緊急事態宣言により、飲食店への休業要請や時短営業、酒類の提供禁止など、経済的にも大きな打撃を受けた年だと言えます。
本来であれば経済の停滞=中古不動産価格の下落となるはずですが、2021年の中古不動産市場は、首都圏など都市部においては価格の上昇を続けています。
こういった状況の中、なぜ2021年は中古不動産の価格は上昇を続けたのでしょうか。

価格上昇の一番の要因は金融緩和

中古不動産を購入する際には、ほとんどの人が住宅ローンを利用すると思います。
その住宅ローン金利は、日銀のマイナス金利政策の影響を受け、ここ数年低金利が続いています。
固定金利の住宅ローンであるフラット35において、2021年10月の金利は、借入期間20年以上35年以下、融資金額9割未満だと年1.3%です。
2018年3月以降は年1.5%を超えたことがありません。
金利が低いと高い物件を購入しても毎月の返済を抑えることができます。
この金融緩和による低金利が続いている状態が、不動産価格上昇の一番の原因と言えます。

東京オリンピックの開催

2021年の中古不動産の価格上昇の要因のひとつに東京オリンピックの延期が考えられます。
当初は2020年に開催される予定でしたが、1年延期されて2021年7月23日から8月8日の17日間にわたっての開催となりました。
一般的にはオリンピックに開催に向けて不動産価格は上昇し、オリンピックの開催が終わると不動産価格は下落すると言われています。
しかし、オリンピックの開催が1年延びたことで、本来2021年は中古不動産の価格は下落するはずだったのが1年後ろ倒しになり、2021年も中古不動産価格の上昇が続いたのではないかと考えられます。

中古不動産の物件の不足

コロナウィルスが発生した当初は、賃金カットや解雇などを受けて経済的に困窮する人が増えて自宅を売却しない人が多くなるのではないかと考えられていました。
しかし、実際には住宅ローンの支払いについては、国や自治体の支援や銀行との交渉などによって救済措置が多く取られたこともあり、売却しなくても良いケースが多く、市場には物件が供給されることはありませんでした。
逆に、引越しを考えていた人が取りやめるといった場合も多く、2020年~2021年にかけて中古不動産の在庫は減少傾向にありました。
そのため、特に首都圏や都市部などの人気エリアでは、中古不動産の在庫不足から価格の上昇が続いています。
2021年10月現在でも在庫不足の状況は続いており、2022年にかけても人気エリアの中古不動産の価格は上昇することが予想されます。

家族の時間が増えた影響も

コロナウィルス問題によりリモートワークが増えて家族間で話す機会や時間が増えました。
その結果、これまで住宅購入はしたくても中々物件などを検討したり、内覧したりする機会が作れなかった層の購買意欲が高まったことも中古不動産の価格上昇の要因のひとつだと考えられます。
リモートワークでも業務に支障のない業種では今後もリモートワークは続くと考えられるので、2022年以降もこの流れは続くでしょう。

郊外では価格の下落が続く

2021年においては、地方でも政令指定都市などの都市部では中古不動産の価格は上昇しましたが、郊外ではほとんどのエリアで価格が下落しています。
地方の郊外では慢性的とも言われる少子高齢化による人口減少が続いており、空き家は増え続ける一方です。
総務省が5年に一度行っている住宅・土地統計調査ですが、平成30年に行われた調査によると全国の空き家はおよそ846万戸まで増えています。
2025年には団塊世代800万人が75歳以上となる2025年問題があるなど、今後益々高齢化が進むので、地方の郊外においては今まで以上に空室が増えることが予想されます。
2022年以降も地方の郊外においては、中古不動産の価格の下落が続くでしょう。

2022年の中古不動産の展望予想

2021年は中古不動産の価格は上昇を続けましたが、2022年以降はどうなるのでしょうか。
2022年には中古不動産市場において一番のポイントとなるのが2022年問題(生産緑地)です。
他にもオリンピック後はやはり価格は下がるのか、コロナショック後の訪日外国人の動向など気になる点もあります。
ここでは2022年の中古不動産の展望について予想します。

2022年問題(生産緑地)が及ぼす影響は?

不動産業界では、ここ数年2022年問題(生産緑地)の話題が取り上げられる機会が増えています。
2022年問題では、2022年に生産緑地の指定期限を迎えることで、市場に土地が大量に放出されて地価が大幅に下がるのではないかということが問題視されています。
生産緑地とは、市街化区域内にある農地や山林のうち、公害や災害を防ぐ目的で生産緑地に指定を受けた土地のことです。
生産緑地に指定されると30年間は農地として所有しないといけませんが、贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例を受けることができます。
生産緑地は1992年から指定が始まっており、30年の期限を迎えるのがこの2022年というわけです。
猶予されていた贈与税や相続税を払わないといけないとなるとお金の無くて売却せざるを得ません。
三大都市圏の特定市では2014年末で生産緑地は約1万3千haあり、その約8割が1992年にして尾を受けており、これが一斉に売り出されることになると市場の混乱が予想されます。

しかし、2022年問題については、2017年に生産緑地法を改正するなど素早い対応も早いです。
この改正では、10年延長ができる特定生産緑地制度をはじめ、最低面積を300㎡へ引下げ、贈与税・相続税の納税猶予などが行われています。

これにより生産緑地が一気に売りに出されるということはないと考えられるので、2022年問題による価格の下落は限定的だと思います。

東京オリンピック後の中古不動産価格は?

一般的には、オリンピック後は地価が下がると言われていますが、東京オリンピック後も首都圏においては不動産価格が下落する兆候はありません。
過去のオリンピックにおいて、
1992年のバルセロナ(スペイン)、2004年のアテネ(ギリシア)では、GDPは大きく下がっていますが、1996年のアトランタ(米国)、2012年のロンドン(イギリス)、2016年のリオ(ブラジル)では、オリンピック開催の翌年のGDPは上昇しています。
東京オリンピックもロンドンのようなコンパクトなオリンピックを目指しており、オリンピック後もそれぞれの地域で商業施設などの開発やインフラの整備も進んでおり、2022年以降も景気が大きく後退する可能性は低いと思われます。
そのため、東京オリンピック後だからという理由では、首都圏の中古不動産の価格は下がらないだろうと予想されます。

コロナショックで減った訪日外国人がカギに

政府の政策もあり、訪日外国人の数は年々増えて2019年には年間3,188万人となっています。
東京オリンピック前には、訪日外国人が一気に押し寄せるのでホテルが足りなくなるかもしれないということで民泊ブームが起こるなど、大変な盛り上がりを見せていました。
しかし、コロナショックにより他国への移動が難しくなり、2020年には4,000万人を超えると言われていた訪日外国人は年間412万人です。
インバウンド需要を見込んでいた商業エリアなどは、2019年までは上昇一途でしたが、2020年は軒並み地価が下がっています。
しかし、2021年10月25日には首都圏でコロナウィルスによる緊急事態宣言が解除され、今後は他国への往来も活発化し、訪日外国人が増えると予想されています。
予想通りに訪日外国人が増えるようであれば、経済も回復して中古不動産にはプラスに働くでしょう。
ただ、他国では日本ほどコロナウィルスの流行が収まっておらず、訪日外国人が増える時期については後ろ倒しになりそうです。
そうなると景気回復が遅れ、中古不動産の価格も下がることが予想されます。

【2022年も都市部の中古不動産は堅調に推移】

2022年も日銀のマイナス金利政策が大きく転換することは考えにくく、今後数年間は今の金利水準が維持されると思います。
又、東京オリンピック後も首都圏や大都市圏の中古不動産価格は上昇を続けており、2022年問題も政府の対応により直近のリスクは回避したと考えられるので、2022年も中古不動産は大きく価格が下落することはないでしょう。
ただ、コロナウィルスの再流行やリーマンショックのような大きな経済的打撃があれば、中古不動産価格も下落する可能性は高いです。
2022年以降も首都圏や大都市圏においては、価格は少しずつですが上昇することが予想されるので中古不動産の価格が下がるのを待っていると買い逃してしまいます。
2022年に中古不動産を購入するなら早めの決断が重要になりそうです。

【2023年以降は人口減少問題がカギに】

2022年においては、中古不動産の価格の下落リスクは少ないですが、2023年以降は少子高齢化による人口の減少がカギを握りそうです。
2023年には、日本の世帯数はピークを迎えて減少に転じます。
世帯数が減少すれば、当然購入者も減るので中古不動産の価格が下落する可能性が高いです。
特に地方では人口減少スピードが速く、中古不動産の価格の下落はすでに始まっています。
首都圏でも今後人口減少が進むエリアにおいては中古不動産の価格は下落することが予想されます。
又、2025年には、団塊世代と言われた約800万人が後期高齢者となり、後期高齢者が日本の人口の約18%となります。
団塊世代の多くは不動産を所有しているので、空き家問題はますます深刻化しそうです。

【まとめ】

2022年の中古不動産の展望については、日銀の低金利政策も引き続き行われ、懸念されていた2022年問題やコロナウィルス、東京オリンピック後の下落などの影響もほとんどなく、首都圏などの都市部では概ね堅調に推移するでしょう。
この流れは2023年以降も続きそうです。
しかし、2023年以降は少子高齢化による人口減少問題が特に地方の中古不動産の価格に大きな影響を与えそうです。
2022年以降に中古不動産を購入する場合は、将来的に人口減少が少なく、資産価値が維持できるエリアかどうかを見極めることが重要になるでしょう。

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