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【コロナと不動産価格】2021年コロナ禍で中古物件価格は上昇or下落?(首都圏、近畿圏)

2020年から続くコロナウィルスの影響で、2020年の5月時点でもまだオリンピックの開催が危ぶまれる状況にあり、飲食店や大規模商業施設は営業時間の制限を強いられるなど混乱は続いています。
世間では企業のあり方も変わってきて、コロナウィルスへの感染予防の観点からリモートワークが推進され、残業代のカットや失業により収入が減るといった人も増えています。
経済の先行きも不透明感が強く、マンションや戸建の物件価格にも影響がありそうです。
コロナの影響を受けて、物件価格は上昇、それとも下落しているのでしょうか。
今回は、2021年のコロナ下における中古物件の価格について、首都圏、近畿圏の現状についてお話ししたいと思います。

首都圏の中古マンション、戸建の物件価格

首都圏ではオリンピックの開催に伴って再開発やインフラ整備が進んでおり、コロナウィルスの影響が無ければ、首都圏の物件価格は上昇すると予想していたのではないでしょうか。
しかし、コロナウィルスによって、インバウンド需要が減り、ホテルだけでなく、衣料雑貨や飲食店も大きな影響を受け、景気は悪い状況にあると言えます。
通常景気が悪くなれば、それに合わせて物件価格も下落します。
しかし、コロナ下ではこれまでの常識が当てはまらず、全体的には物件価格は上昇傾向にあります。

中古マンションの物件価格

公益財団法人東日本不動産流通機構の2021年4月の月例速報MarketWatchサマリーレポート(以下東日本不動産流通機構4月レポート)(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202101_summary.pdf)
によると、4月の中古マンションの取引実績については、昨年同月に比べて、成約件数は3,428件(プラス110.4%)、㎡単価59.10万(プラス16.1%)、成約価格3,826万(プラス19.5%)、専有面積64.74㎡(プラス2.9%)となっています。
コロナ前の2020年1月の同レポートの成約価格が3,672万でしたので、2020年1月と比較しても物件価格は約4.1%上昇していると言えます。

中古戸建の物件価格

東日本不動産流通機構4月レポートによると中古戸建の取引実績については、昨年同月に比べて、成約件数は1,347件(プラス98.1%)、成約価格3,406万(プラス24.8%)、土地面積147.22㎡(マイナス9.5%)建物面積105.95㎡(マイナス0.3%)となっています。
コロナ前の2020年1月の同レポートの成約価格が3,100万でしたので、2020年1月と比較しても物件価格は約9.8%も上昇していると言えます。

コロナ下でも首都圏の物件価格は上昇している要因

首都圏では、中古マンション、中古戸建ともにコロナ下でも価格は上昇傾向にあります。
景気が悪い状況で物件価格が上昇する要因については、以下のことが考えられます。
1:在庫の減少
東日本不動産流通機構4月レポートによると、2021年4月の在庫件数(登録されている物件の数)は、34,184件と前年比でマイナス26.1%の大幅減となっており、19年12月から17か月連続で前年同月比を下回る状況が続いています。
売り出ししている物件の数が少ないので、特に駅近や人気エリアの物件は登録されたらすぐに購入されるという状態です。
2:新築住宅の価格高騰
株式会社不動産研究所 首都圏新築分譲マンション市場動向 2021年4月(参照URL https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/466/ZyiQPDsx.pdf)よると首都圏の新築マンションの平均価格は7,764万と大幅に上昇しており、新築マンションは最早庶民には買えない状況です。
そのため、首都圏では、マンションを購入する場合は、中古マンションという流れになっています。
首都圏の新築マンションの売却価格高騰は、駅近など都心のタワーマンションなどが人気に加えて供給戸数が少ない、建築資材の価格高騰による調達コストの増加などが要因だと考えられます。
3:年収減を危惧した駆け込み需要
住宅ローンを借りる際に、融資限度額については基本的に前年度の年収がベースになります。
コロナ下において、残業カットやボーナスの減少などで年収が減ってしまうと住宅ローンの融資限度額も下がってしまいます。
そうなると住みたいエリアの物件が買えなくなってしまいますよね。
こういった前年度の年収を審査に使えるうち家を購入しておこうという駆け込み需要も価格上昇の要因のひとつと言えます。

近畿圏の中古マンション、戸建の物件価格

首都圏に続く第二の経済圏である近畿圏では、中古マンション、戸建の物件価格はどうなっているのでしょうか。

中古マンションの物件価格

公益財団法人近畿不動産流通機構のマンスリーレポート2021年5月号(以下近畿不動産流通機構5月レポート)によると、4月の中古マンションの取引実績については、昨年同月に比べて、成約件数は1,413件(プラス53.3%)、㎡単価36.03万(プラス11..8%)、成約価格2,478万(プラス19.5%)、専有面積64.74㎡(プラス0.9%)となっています。
コロナ前の2020年1月の同レポートの成約価格が2,771万でしたので、2020年1月するとマイナス10.6%と価格は下落しています。
ただ、コロナ下において4月7日緊急事態宣言が出された後、5月には成約価格は2,071万まで下落しています。
その時と比較するとプラス19.6%となっており、価格は戻りつつあると言えます。

中古戸建の物件価格

近畿不動産流通機構5月レポートによると中古戸建の取引実績については、昨年同月に比べて、成約件数は903件(プラス32.4%)、成約価格2,002万(プラス6.5%)、土地面積134.35㎡(プラス2.1%)建物面積105.43㎡(マイナス1.4%)となっています。
コロナ前の2020年1月の同レポートの成約価格が2,196万でしたので、2020年1月と比較するとマイナス8.9%と価格は下落しています。
中古マンション同様に中古戸建も、緊急事態宣言後の5月に成約価格は1,866万まで価格は下落しています。
その時と比較すると7.2%上昇しており、中古戸建も価格は戻りつつあると言えます。

近畿圏でも大阪市内の都心部では中古マンション価格が上昇!

近畿圏全体の平均価格は緊急事態宣言後の2020年5月と比べる上昇していますが、コロナ前の水準にはまだ戻っていません。
しかし、中古マンションに関しては、大阪市内中心6区(中央区、北区、福島区、西区、天王寺区、浪速区)の都心部では、2020年1月の平均価格が4,013万に対して、2020年4月の平均価格は4,397万とプラス9.5%と大幅に上昇しています。
大阪市内その他の18区(都島区・此花区・港区・大正区・西淀川区・東淀川区・淀川区・東成区・生野区 旭区・城東区・鶴見区・阿倍野区・住吉区・住之江区・ 東住吉区・平野区・西成区)においても、2020年1月の平均価格が2,185万に対して、2020年4月の平均価格は2,342万とプラス7.1%と上昇しています。
その他の人気エリアでは、大阪府北部(池田市・箕面市・豊中市・吹田市・摂津市・茨木市・高槻市・三島郡・豊能郡)が2020年1月の平均価格が2,873万に対して、2020年4月の平均価格は2,828万とほぼ横ばい、神戸市エリア中心3区(中央区、東灘区、灘区)は、2020年1月の平均価格が2,975万に対して、2020年4月の平均価格は2,911万とほぼ横ばいです。
京都市エリア中心6区は、2020年1月の平均価格が3,687万に対して、2020年4月の平均価格は3,354万とインバウンドの影響でかなり高値をつけていたことをもあって大幅下落しています。
近畿圏の中古マンションに関しては、大阪市内は近畿圏の中心ということもあって人気が高く、価格が上昇していますが、その他のエリアについては横ばい、下落となっています。
特に、大阪市内から遠いエリアに関しては、大幅に下落しており、首都圏同様に都心への一極集中が続いている状況にあると言えます。

今後、新型コロナの影響で中古マンション、中古戸建の物件価格はどうなる?

(参考記事 https://www.homes.co.jp/cont/data/data_00123/)
コロナウィルスショックに似た状況として、近年ではリーマンショックがあります。
リーマンショックでは、解雇、リストラ、給料の大幅ダウンなどがあり、景気悪化によって住宅の購入ができない人が増え、中古マンション、戸建マンションの物件価格の大幅な下落となりました。
今回のコロナウィルスショックにおいても同様の結果が予想されます。
野村総合研究所の調査では、2021年2月の時点でコロナウィルスの影響による実質的な失業状態にある非正規雇用者は女性が103万人、男性が47万人になっていると推測されています。(パート・アルバイトのうち、「シフトが5割以上減少」かつ「休業手当を受け取っていない」人を「実質的失業者」と定義)
(参考記事 https://news.yahoo.co.jp/articles/722170e96acfb147c4dc196f1e6872e6b88b31ad)
2021年5月現在も緊急事態宣のもと、大型商業施設や飲食店は休業要請を受けて営業がまともにできず、ホテル業界、航空会社などもインバウンドの減少で大変厳しい状況が続いています。
助成金も中々手続きが進まない状況にあります。
日経平均株価は、2021年6月2日時点で28,000円台と高い水準を保っていますが、この状態が続けば景気後退が予想されます。

現在は、中古マンション、中古戸建ともに、売り出されている在庫が少ないこともあり、価格は維持されていますが、景気が悪化すれば、購入したくても購入できなくなってしまい、需要と供給のバランスが崩れる可能性も考えられます。
そうなると物件価格は下落する可能性が高まります。

都市部への集中による地方との格差の拡大が進む

首都圏、近畿圏ともに都市部の物件価格は上昇しています。
2018年の総務省の住宅・土地統計調査では、空き家の数は約846万戸もあります。
2019年6月内閣府が発表した高齢社会白書では、2055年に日本の人口は1億人を割って9744万まで減少するので、今後も空き家は増加していくことが予想されます。
コロナウィルスの影響によるリモートワークの増加で、首都圏の周辺エリアでは一時的に移住が増えたという話も聞きますが、これは一時的なもので大きな流れとしては、今後も都心部への移住は続いていくでしょう。
今後は、より一層都市部と地方の格差は広がります。
地方で物件を購入する際には、将来的にそのエリアは存続できるのか、その物件は売却できるかなど、総合的な部分で判断する必要があります。

【まとめ】

コロナウィルスの影響下でも、首都圏、近畿圏でも大阪市など都市部の中古マンションに関しては大きく価格は上昇しています。
近畿圏では、神戸市、京都市などの主要都市でも中古マンションの価格は、横ばい、下落といった状況です。
首都圏一極集中、近畿圏でも都市部への移住は今後も続き、都市部と地方の物件価格の差は益々差がつくことが予想されます。
これから中古マンション、中古戸建を購入する際には、物件の価格だけでなく、物件周辺は今後も発展するエリアか、将来的にも売却は可能なのかなど、総合的に見て判断するようにしましょう。

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